皮膚欠損用創傷被覆材の価格改定と保険請求
創傷被覆材は2014年から在宅でも保険適用になっています。外来・病棟・往診時など、いずれの場合も医師が直接処置した場合に加え、院外処方箋による保険薬局からの供給分にも保険算定ができます。ただし、院外処方箋による創傷被覆材の供給には以下の2つの条件を満たしている必要があります。
1. 重度褥瘡であり、在宅療養指導料を算定していること
2. 処方箋により供給できる皮膚欠損用創傷被覆材は、皮下に至る創傷用のみ
令和2 年 4 月の診療報酬改定内容から、創傷処置等に使用する皮膚欠損用創傷被覆材の償還価格は下表の通りとなっています。
補足説明:特定保険医療材料には別表があります(下表参照)。「皮膚欠損用創傷被覆材」は、特定保険医療材料の別表第三調剤報酬点数表#012* として収載 ⇒ 院外処方せんで、保険薬局より支給が可能となりました。 ※ 保険算定面積計算時の注意点があります。平成26年3月5日 厚生労働省告示第62号
皮膚欠損用創傷被覆材の 在008、医101、調012には、それぞれ算定時の留意事項が決まっています。
特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について 令和6年3月5日 保医発0305第8号
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医療者が直接患者に使用する場合 | |
【適用疾患】 | 真皮以上の深度を有する皮膚欠損部位(創傷治癒の促進、創傷面保護及び疼痛軽減を目的として使用するものであること。) |
【適用条件】 | 機能区分に従い、それぞれ適用が認められた深さの創傷に使用すること。 同一部位に対し(同時に)複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみを算定する。 |
【適用期間】 | いずれも 2 週間を標準として、特に必要と認められる場合については 3 週間を限度として算定。 |
【適用方法】 | 医師が医療施設または往診等で直接患者に貼付する。 |
区分Ⅰ 在008/区分Ⅷ 調012の「皮膚欠損用創傷被覆材」の算定に関する留意事項 |
008,009 皮膚欠損用創傷被覆材、非固着性シリコンガーゼ (1)本材料はいずれかの在宅療養指導管理料を算定している場合であって、在宅での療養を行っている通院困難な患者のうち、皮下組織に至る褥瘡(筋肉、骨等に至る褥瘡を含む。)( DESIGN-R分類 D3、D4及びD5を有する患者の当該褥瘡に対して使用した場合、又は区分番号「C114」在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を算定している患者に対して使用した場合に限り算定できる。 (2)皮膚欠損用創傷被覆材について、同一の部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみ算定する。 (3)区分番号「C114」を算定している患者以外に対して使用する場合は、いずれも原則として3週間を限度として算定する。それ以上期間において算定が必要な場合には、摘要欄に詳細な理由を記載する。 |
特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について 令和6年3月5日 保医発0305第8号
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在宅患者へ供給する場合 | |
【適用疾患】 | 在宅患者で皮下組織に至る褥瘡(筋肉、骨等に至る褥瘡を含む)(DESIGN-R分類D3、D4及びD5を有する患者) 注)留意事項への記載はないが、在宅褥瘡患者に適用できる深さは、薬事法上認められている範囲に従う |
【適用条件】 | 在宅療養指導管理料を算定している患者(在宅療養指導管理料の種類は補足3を参照) |
【適用期間】 | 原則3週間、それ以上の期間で算定が必要な場合は詳細な理由を記載。(場合によっては3週間以上も適用可能となった) |
【適用方法】 | 医療機関の在庫から直接患者に渡す、または院外処方せんで保険薬局から渡す。 |
補足1 | 保険算定面積計算時の注意点 |
ご注意ください:皮膚欠損用創傷被覆材の保険算定可能な面積はパッド部分のみが対象です。周囲に粘着部分がある創傷被覆材は、ドレッシングサイズ=保険算定面積ではありません。
参考例)ドレッシングサイズが異なっても、保険算定のパッド面積は同じ | |||
ハイドロサイト♢ プラス ハイドロサイトAD ジェントル | 5cm × 5cm 7.5cm × 7.5cm | :パッド面積 25cm2 :パッド面積 5 × 5cm = 25cm2 | |
補足2 | 在宅療養指導管理料:C100 ~ C121 |
C100 | 退院前在宅療養指導管理料 | C108-4 | 在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料 |
C101 | 在宅自己注射指導管理料 | C109 | 在宅寝たきり患者処置指導管理料 |
C101-2 | 在宅小児低血糖症患者指導管理料 | C110 | 在宅自己疼痛管理指導管理料 |
C101-3 | 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料 | C110-2 | 在宅振戦等刺激装置治療指導管理料 |
C102 | 在宅自己腹膜灌流指導管理料 | C110-3 | 在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料 |
C102-2 | 在宅血流透析指導管理料 | C110-4 | 在宅仙骨神経刺激療法指導管理料 |
C103 | 在宅酸素療法指導管理料 | C110-5 | 在宅舌下神経電気刺激療法指導管理料 |
C104 | 在宅中心静脈栄養法指導管理料 | C111 | 在宅肺高血圧疾患者指導管理料 |
C105 | 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料 | C112 | 在宅気管切開患者指導管理料 |
C105-2 | 在宅小児経管栄養法指導管理料 | C112-2 | 在宅喉頭摘出患者指導管理料 |
C105-3 | 在宅半固形栄養経腸栄養法指導管理料 | C114 | 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料 |
C106 | 在宅自己導尿指導管理料 | C116 | 在宅植込型補助人工心臓(非拍動流型)指導管理料 |
C107 | 在宅人工呼吸指導管理料 | C117 | 在宅経腸投薬指導管理料 |
C107-2 | 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 | C118 | 在宅腫瘍治療電場療法指導管理料 |
C107-3 | 在宅ハイフローセラピー指導管理料 | C119 | 在宅経肛門的自己洗腸指導管理料 |
C108 | 在宅悪性腫瘍患者指導管理料 | C120 | 在宅中耳加圧療法指導管理料 |
C108-2 | 在宅悪性腫瘍患者協働指導管理料 | C121 | 在宅抗菌薬吸入療法指導管理料 |
C108-3 | 在宅強心剤持続投与指導管理料 |
診療報酬の算定方法の一部を改正する件 令和6年3月5日 保医発0305第4号 「診療報酬の算定方法の
一部改正に伴う実施上の留意事項について」
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