ケース別保険請求の考え方

ケース別保険請求の考え方


保険請求の考え方(各ケースで該当する特定保険医療材料の別表等が異なる)

 

ケース

同時に算定する技術料
(材料関連についてのみ抜粋して記載)

該当する特定保険医療材料の別表
(分野番号)

適用期間

 

医師が手術において手術創である皮膚欠損部位に創傷被覆材を貼付

K手術料(全層植皮術、デブリートメント術など)

Ⅱで算定(医101)

2週間を標準として特に必要な場合3週間まで

 

医師が医療施設・外来において、外傷部位に創傷被覆材を貼付

創傷処置料等

Ⅱで算定(医101)

 

医師が医療施設・入院病棟において褥瘡Ⅲ度に創傷被覆材を貼付

重度褥瘡処置料等

Ⅱで算定(医101)

 

医師が訪問診療・往診にて在宅にて褥瘡Ⅲ度の患者に創傷被覆材を貼付

重度褥瘡処置料等

Ⅱで算定(医101)

 

医師が、在宅療養指導管理料(例:在宅寝たきり患者処置指導管理料)を算定しているⅢ度褥瘡発生患者に創傷被覆材を供給

処置料なし
在宅療養指導管理料の算定

Ⅰで算定(在008)

3週間を限度として算定
それ以上の適用が必要な場合はレセプトに詳細な理由が必要

 

医師が、在宅療養指導管理料(例:在宅寝たきり患者処置指導管理料)を算定しているⅢ度褥瘡発生患者に、院外処方せんにより、創傷被覆材の供給を指示
院外処方せんを持参した患者へ、保険薬局から創傷被覆材を供給、薬局が保険請求

処置料なし
病院側で在宅療養指導管理料の算定
保険薬局側被覆材のみの場合、調剤料の算定はなし

Ⅷで算定(調012)

3週間を限度として算定
それ以上の適用が必要な場合はレセプトに詳細な理由が必要

 


ケース①

医療者自身が使用する場合

医師が手術において、術創に創傷被覆材を貼付する場合
分層植皮術を行った患者の採皮創に、ハイドロサイト 薄型15×20cm(保険算定面積:300cm2)を貼付した。

50






1回 25,820

薬剤 180




50





 分層植皮術(×日)
200cm2以上 25,820×1

   医101 被覆材・真皮用
ハイドロサイト 薄型
300cm2×6円/10 180×1


   本来、手術のところに記載される麻酔・輸血等は割愛しています。


 

ケース②

医療者自身が使用する場合

医師が外来において、直接患者の創傷に、創傷被覆材を貼付する場合
左手指先に皮下組織に至る深さの外傷性皮膚欠損創を受傷した患者に、外来において、初診時、アルゴダームトリオニック5×5cm(保険算定面積25cm2)を貼付、翌日ハイドロサイト ジェントル銀7.5×7.5cm(保険算定面積:パット部分5×5cm=25cm2)にて処置し、当該製品2週間で4回交換した場合

40




処置 4回 490

薬剤 500



40




創傷処置(100cm2未満) 52×5

   医101 被覆材・皮下組織用(標準)
アルゴダーム トリオニック
25cm2×10円/10=25 25×1
ハイドロサイト ジェントル 銀
25cm2×10円/10=25 25×4

 

ケース③④

医療者自身が使用する場合

医師が入院または往診において、直接患者に創傷被覆材を貼付する場合
一般病棟に入院中の患者に皮下組織に至る褥瘡(DESIGN-R分類 D3)が認められため、ハイドロサイトジェントル銀12.5×12.5cm(保険算定面積:パット部分10×10cm=100cm2)にて処置し、当該製品2週間で4回交換、医師の判断により、さらに1週間で1回交換、合計5枚使用した場合

40



処置 5回 490

薬剤 500


40



重度褥瘡処置(100~500cm2)  98×5

   医101 被覆材・皮下組織用(標準)
ハイドロサイト ジェントル 銀
100cm2×10円/10=100   100×5

 

 

ケース⑤

在宅患者へ渡す場合:医療施設から

医療施設が、医師が貼付するとは別に直接渡す創傷被覆材のレセプト記入例:前頁ケース③
DESIGN-R分類 D3の褥瘡を持つ患者で、在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者に対し、医療施設から直接ハイドロサイトジェントル銀12.5×12.5cm(保険算定面積10×10cm:100cm2)を10枚を供給した場合

14





往診 回
夜間 回
深夜・緊急 回
在宅患者訪問診療
その他 1015
薬剤 1000


14





在宅寝たきり患者処置指導管理料 1050

在008 被覆材・皮下組織用(標準)
製品名(例:ハイドロサイト ジェントル銀)
  12.5×12.5(保険算定面積 100cm2
 100cm2×10円/10円=100
 100×使用枚数(例10枚)

 

ケース⑥

医療者自身が使用する場合

院外処方せんにより支給する場合
DESIGN-R分類 D3の褥瘡を持つ患者で、在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者に対し、院外処方せんで、ハイドロサイト ジェントル銀12.5×12.5cm(保険算定面積10×10cm:100cm2)を3週間分として10枚処方 *注)保険算定面積はパッド部分が対象で、パッド周囲の粘着部分は入りません。

<医師が作成する院外処方せん例>

交付年月日 年 月 日

処方せんの
使用期間

年 月 日[*******]






変更
不可






[個々の処方薬について、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への差し支えがあると判断した場合には、「変更不可」欄に「✓」又は「×」を記載し、「保険医署名」欄に著明又は記名・押印すること。]

① サアミオン錠 5mg 3T
    ノイキン錠 10mg 6T
    ペルジピン錠 20mg 3T
  分3 毎食後 14TD

② プロスタンディン軟膏 0.003% 100g 1日1回

 皮膚欠損用創傷被覆材
*皮膚欠損用創傷被覆材の書き方は、下記青枠参照


保険医署名[「変更不可」欄に「✓」又は「×」を記載した場合は、著明又は記名・押印すること。]

③ 皮膚欠損用創傷被覆材

  皮下組織に至る創傷用 ①標準型
  ハイドロサイト ジェントル銀
    12.5×12.5 (保険面積100cm2
    3週間分
    10枚 1cm2当たり10円

 

<院外処方せん作成する医療施設側のレセプト例>

14





往診 回
夜間 回
深夜・緊急 回

その他 1050
薬剤


14




 在宅寝たきり患者処置指導管理料 1050
算定条件なので必ず医療施設側で記載

 原則3週間分ですが、それ以上を供給する場合は、この摘要欄に詳細な理由を記載して処方する

 創傷被覆材は、保険薬局側がレセプト申請するので、この欄への供給分の記載はなし

  

<院外処方せんを受理し、創傷被覆材を供給する保険薬局側のレセプト例>

↓↓↓↓↓↓↓

処 方 調剤数量 調剤報酬点数
医薬品名・規格・用量・剤形・用法 単位薬剤科点 調剤料 薬剤料 加算料

ハイドロサイト ジェントル銀

被覆材皮下組織用(標準)
保険算定面積 100cm2
10枚

1000

1

0

1000

*償還価格 10円/cm2 100cm2×10円/10枚/10円 点数化 特定保健医療材料の調剤料は無し

診療報酬に関する紹介先、製品一覧

診療報酬に関する紹介先


皮膚欠損用創傷被覆材 製品一覧

Title

Text